1 損害賠償額の算定方法
相手方から賠償を受けることのできる金額は、一般的に、
①被害者の受けた損害の総額
× ②損害のうち、加害者の責任の割合(過失相殺・訴因減額)
- ③既に補償を受けた金額(損益相殺)
という計算によって算出されます。
(③の「既に補償を受けた金額」の性質によっては、②の過失相殺に先んじて損害の総額から差し引かれるものもあります。)
2 賠償の対象になるもの、ならないもの
(1)交通事故の被害者の方、特に、全く何の落ち度もないにもかかわらず不幸にも被害者となってしまった方の中には、「自分の不都合はすべて補償されて当然だ!」と考えられる方もおられるかもしれません。
(2)しかし、法律上、賠償の対象となる損害は、事故と「相当因果関係」があるものに限られます。相当因果関係があるというのは、「あれなければ、これなし」という条件関係が存在するのを前提に、行為が結果発生にとって相当性を有する場合です。交通事故で言うと、「事故がなければ、発生しなかった」という条件関係があるうえに、事故によって結果が発生することが「相当」と評価される場合に限って、賠償の対象となるのです。
相当性を有しないとされるのは、①事故の際、通常予見されないような特殊な事情が存在したために、結果が発生してしまった場合や、②事故の後に、特殊な事情が介入して結果が拡大した場合ということになるでしょう。
(3)また、現在の裁判例の考え方では、全く非のない被害者にも、「損害を拡大しないようにする義務(損害拡大防止義務)」があると考えられており、その義務に違反して拡大した損害に対しては、加害者は責任を負わない、とされています。












